E.T.
75年に「ジョーズ」を大ヒットさせ、その地位を不動のものにしたスティーヴン・スピルバーグ監督が…
(2008/10/16)

75年に「ジョーズ」を大ヒットさせ、その地位を不動のものにしたスティーヴン・スピルバーグ監督が、2年後の「未知との遭遇」(77)でSF映画の歴史を変え、「レイダース」(81)で冒険活劇を復活させた後、ファンタジー・ムービーの頂点を極めたのが本作「E.T.」である。世界中で社会現象といわれるまでのブームを巻き起こし、日本でも外国映画としては「タイタニック」(97)に破られるまでの15年間、興行収入No.1の座をキープし続けた不滅の名作である。しかし、本作の価値はそのような記録ではなく、今もなお人々の心に深く刻み込まれているという感動の記憶だろう。全篇を通して徹底されている大人の不在を、ロー・アングルを多用したカメラ・アングルで子どもの視点から描く。そして、地球にとり残されたE.T.が望んだ家族と、少年エリオットが望んだ父親のいる家族を最大のテーマに掲げている。スピルバーグはこの映画を通じて、かつて「子供」だった全ての人たちに、そして、将来「親」になる全ての人たちにというメッセージを送っている。先ごろ、公開20年を記念して「E.T.20周年アニバーサリー特別版」(02)が公開された。02版は、E.T.の表情をCGを使って豊かにし、ジョン・ウィリアムスの音楽をデジタル・リミックスし、さらに数分の未公開シーンを加えている。スピルバーグがいちばん直したかったという自転車に乗る少年たちを待ち構える警官たちの持っていた銃も、CG処理によって無線機に置き換えられている。82年版を観た人も、未だに未見の人も、もう一度あの感動を味わって欲しい。紆余曲折の後、「チャーリーズ・エンジェル」(00)などで今は人気女優として活躍するドリュー・バリモアの愛らしい子役時代の姿も必見!



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