●クァク監督が語る新作「最強・彼女」の魅力と舞台裏(2008/12/09)
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11月29日シネマート六本木にてクァク・ジェヨン監督作品『最強・彼女』初日舞台挨拶が行われた。来場者より集められた質問に始終笑顔で答える監督が印象的な舞台挨拶となった。
MC:主演の3名、シン・ミナさん、オン・ジュワンさん、それからユゴンさんの、優れていると思う点をそれぞれ教えてください。
監督:まずはシン・ミナさんですが、実際は映画よりずっとキレイな方です。今までの映画ではその魅力があまり現れなかったということがあり、この映画の中ではよりかわいい彼女の魅力を表現しようと思いました。彼女はいつも遅刻する癖があり、私はいつも怒っていたのですけれど、何故遅れるのかその理由を聞いてみたら、寝ずに明け方まで映画についていろいろ悩んで考えていたからからだといいました。「そういうことは現場で考えればいいから」とアドバイスしました。また、シン・ミナさんはワイヤーアクションのシーンがかなりありました。ワイヤーアクションの練習や撮影のときは、常に天井から吊るされている状況でしたので、まるでスパイダーマンのように撮影していました。また撮影していたのが真夏だったので、非常に暑く、さらに、ワイヤーアクションを撮るためには中に着込まなければいけなく、こういった厳しい環境の中でがんばってくれたと思います。
オン・ジュワンさん、ユゴンさんですが、彼らは映画で共演する前からもともと友達でした。同じ大学を卒業したということですが、キャスティングの後に知ったことです。映画が終わった後でも、彼らは非常に仲良くしていていつも一緒に行動しています。彼らはこの映画のためにオートバイの免許を取り、ユゴンさんの場合はアイスホッケーも習い、オン・ジュワンさんは武術も習いました。非常に苦労したと思います。オン・ジュワンさんの場合はたくさんエピソードがあるのですが、彼は非常にダンスがうまいんですね。なので、ダンスのシーンを必ず入れようと思い、ダンスシーンを撮ったのですが、エキストラで出演した人たちの方がうまく、残念ながらそのシーンはカットしました。とくにオン・ジュワンさんは非常に苦労したと思います。今回の映画では水中のシーンが出てきます。怪我をするとは思っていないので、もっと深く、もっと奥へ入ってくださいとオーダーしましたが、水から出てきたときは鼓膜が破れて耳から血が出ていました。また、大学の図書館を登るシーンがあるのですが、このときもワイヤーアクションだったのですが、落ちたのがあまりに早くて息も出来なかったようです。しかし私がカットをかけるまで我慢していて、カットをかけた途端倒れました。
MC:すごいですね。裏話が続出ですね。次の質問へ行きます。監督の映画に出てくる女性はとても強くてチャーミングですが、そういった女性を主役にする理由はあるのでしょうか?
監督:私は映画を作るときに、幼少時代に戻って構想する傾向が多いのです。子供の頃に憧れていた女性というのは強くて心はキュートという両面を持っている女性です。だから、そのような女性が私の映画の中には多く出て来ると思います。また私には娘が二人いますが、彼女らには強い女性に育ってほしいという願いもあります。
MC:一連の“彼女”シリーズの中で起用されてきた主演女優、チョン・ジヒョンさん、綾瀬はるかさん、そしてシン・ミナさんなど、主演を決定するポイントというのはどこですか?
監督:特にポイントはありません。かわいい女性が優先です
MC:こちらも女性からいただいた質問です。「『猟奇的な彼女』が日本でドラマ化、こちらは田中麗奈さんと草なぎ剛さんが日本では演じたんですけれど、そしてアメリカでは「猟奇的な彼女inNY」が、こちらは昨日日本でビデオ発売したばかりですが、ごらんになられたのでしょうか?感想などありましたら、お聞かせください。」という質問をいただきました。
監督:私はドラマも映画も予告編しか観ていないので、なんとも申し上げられないのですが、チョン・ジヒョンさんは強いながらも男性本能・男性の女性への保護本能をくすぐる面があります。しかしアメリカ版の女優さんは、あまりにも溌剌としていて男性の助けを必要としていないような気がしました。私が常に女優さんに言っていることに、「強くても男性の助けを必要としている女性を演じてほしい」ということがあります。これまで登場したやさしい男性と出会って、愛を育ててゆくということが根本にありますが、アメリカ版ではそういった面が若干足りなかったのではないかと思います。
MC:率直なご意見をありがとうございます。では、いただいた質問からはこれが最後です。男性のかたからいただきました。「もし、スタッフに最強の女性がいたらどうしますか?指示しにくいですか?」
監督:いくら強い女性でも、映画を作るときは監督の意見を聞いて、尊重してくれなければいけません。もちろん、スタッフの意見も大切ですね。ということは、両方の意見を調整しながら作っていかなければならないと思います。しかし、強い女性が自分の意見を主張し続けるのは、それが正しいと思っているからでしょう。正しい意見であればいくらでも尊重し受け入れる意向はあります。ただし、たたかれない限りですね。
監督:12/23に1回のみ放映されるパナソニックのCMの撮影のためです。12月23日夜9時放映のスペシャル番組(日本テレビ)内で、提供のパナソニックのCMが流されます。「心をつなぐ物語」という2分間のCMのひとつを私が作っています。現在は撮影がほぼ終わって、編集作業に入っていますが、このCMは悲しくも美しい物語に出来上がっています。テレビでは1回のみですが、その後、パナソニックのwebサイトでご覧になれます。
監督:今回のこの『最強・彼女』は苦労した作品です。みなさんに大いに宣伝していただき、多くの方に観ていただきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。(編集担当:松村大介)
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