中国:市場経済化で｢華表奨｣の本質が大きく変容

●中国:市場経済化で｢華表奨｣の本質が大きく変容(2004/08/24)

　中国政府による最高の映画賞｢華表奨｣が大きな転換期にさしかかっている｡これまで､芸術や経済効果､市場競争力などを度外視し､思想統制を強く受けてきた中国映画であったが､市場経済化にともない､商業的映画の側面が重視されている｡21日付で中国新聞社が伝えた｡

　｢華表奨｣では､最優秀映画賞､最優秀俳優賞などのほか､ﾉﾐﾈｰﾄ賞､市場開拓賞､出品者賞などの新しい賞が設けられる｡そのうち､市場開拓賞､出品者賞に関しては､今後､商業映画を積極的に開拓していくという中国政府の新たな決意が表れている｡

　また､ｱｸｼｮﾝ映画である『天地英雄(邦題:ﾍﾌﾞﾝ･ｱﾝﾄﾞ･ｱｰｽ)』の姜文(ｼﾞｧﾝ･ｳｪﾝ)と新型肺炎SARSを題材にした『38度』の黄磊(ﾎｧﾝ･ﾚｲ)､『茉莉花開』の章子怡(ﾁｬﾝ･ﾂｨｲｰ)と『38度』の陶紅(ﾀｵ･ﾎﾝ)らが同時にﾉﾐﾈｰﾄ｡人気俳優を起用し､大衆の心をつかんだ商業映画と､中国政府の意向を反映した思想映画が同時にﾉﾐﾈｰﾄされたことは､極めて画期的な変化と言える｡

　｢華表奨｣の授賞式は8月28日､北京展覧館劇場で行われる予定｡(編集担当:田村まどか)

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