●ついに日本公開『トゥヤーの結婚』主演女優インタビュー(2008/02/27)
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07年ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で最高賞の「金熊賞」を受賞した『トゥヤーの結婚(原題:図雅的婚事)』(王全安監督)の日本公開が23日、始まった。中国・内モンゴル自治区西北部の砂漠化が進む草原に住む遊牧民の女性、トゥヤーは、井戸を掘るためにけがをして歩けなくなった夫と、子供2人の生活を支えるため、日々、力強く働いている。夫はそんな彼女に申し訳ないと、離婚を申し出る。独身になったトゥヤーの元にはたくさんの求婚者が訪れるが、彼女の再婚の条件は、愛する家族を1人も見捨てないよう、元夫も一緒に暮らすことだった――。トゥヤーを演じた女優の余男(ユー・ナン)は、中国の若手注目女優。草原の中、ラクダに乗り、ぶ厚いコートを着て赤いスカーフで顔を隠していても、その凛とした輝きが伝わってくる。日本公開に合わせて来日した彼女に、この作品のヒロインと、彼女自身について聞いてみた。――ユー・ナンさん、内モンゴルの大地で力強く生きるトゥヤーからは想像できないくらい、本当は色白でスラッとしているんですね! ご自身は遼寧省のご出身だそうですが、トゥヤーを演じるに当たって監督に言われたことはありましたか?「演技については細かいことは言われなかったんですが、『まず、モンゴル族の女性になって、それからトゥヤーになりきってほしい』と。それでクランクイン前に3カ月、実際に内モンゴルの遊牧民の人たちと一緒に生活したんです。乾燥した土地なので、肌が荒れて日にも焼けてくるんですが、そんなことはだんだん気にならなくなりました。そうしているうちにモンゴル族の女性っぽくなれたかな、と思います」――普段はとても上品な、落ち着いた話し方なんですね。いつも子供をバシッと叱りとばすトゥヤーとは正反対の印象です。内モンゴルロケで一番大変だったのはどんなことでしたか?「やっぱり、内モンゴル特有の気候ですね。吹雪の中、ラクダに乗って放牧に出かけて迷った息子を探しに行くシーンは、−30度の中で撮りました。ラクダが転んでしまったりして、動物との撮影って難しいな、と思いました」――トゥヤーは夫と離婚後、たくさんの男性に求婚されますが、ユー・ナンさんご自身では、彼女の魅力はどんなところだと思いますか?「愛を信じているところ。善良で強いところでしょうね」――今回共演された夫役のバータルさんと、友人役のセンゲーさんは役者ではなく、本当に内モンゴルの遊牧民の方だそうですが、一緒に演じてみていかがでしたか?「演技が上手いのに驚きました! きっと、モンゴル族の性格だと思うんですけど、とても開放的で、何事も堂々としていて恥ずかしがらない。うれしい時と怒っている時の区別が上手なので、一緒に演じやすかったんです」――なぜこの作品がベルリン国際映画祭の最高賞「金熊賞」を受賞したと思いますか?「芸術的なのに、面白い。感動的だからでしょうか。芸術的だけどつまらない映画もありますけど、この作品はバランスが良かったんだと思います」――受賞後、なにか変わったことはありましたか?「注目が集まったので、『観てはみたいけど、そんなに言うほど面白くないんじゃないか』と考えている方もいらっしゃいました。でも、実際に見てくださって『面白かった』と言ってくれた時には、とても光栄でしたね。映画人なら誰もが欲しがるとても大きな賞ですから。自分の中では、いいと思う作品をこれからももっと自分で選んで撮っていかなければ、と思うようになりました」――トゥヤーに求婚してきた男性には、おとなしい人やお金でなんとかしようとする人に彼女に甘える人など、いろいろなタイプの男性がいましたが、ユー・ナンさんご自身は男性にどんな形で愛されたいと思いますか?「一番いいのは、お互いに同じくらい愛している、という形かな。あんまり多くを語る愛はすきじゃないですね」――ところで、幼稚園の時に映画に出られたそうですが、それはどんな作品だったんですか?「そうなんですよ。詳しいことはあんまり覚えていないんですけど、ダンスがテーマの作品で、多分、4歳の時ですね。その作品の監督が、主人公のダンサーの娘役の子供を捜して私がいた幼稚園に来たんです。監督は私を見るなり、『この子だ!』と。そしたら幼稚園の先生が『えっ! 一番かわいいのはこの子じゃないですよ』なんて言うんです。でも監督は『いいんだよ。面白い顔の子を探していたんだ』って(笑) それで出演が決まったんです」――その後、北京電影学院に入って映画の勉強をしていたそうですが、女優になろうと思ったのは、なぜですか?「ちょっと、偶然もあるんですよね。北京電影学院は私が住んでいた町では普通、入学試験をしないんですが、その年だけしていたんです。電影学院の先生で、有名な俳優の方が来るというので、友達みんなで見に行こうか、という感じで(笑) 最終選考の4回目の試験まで残ったのは、友達の中では私1人だったので、とても緊張しました。女優になったのは、なんていうか、運命に導かれて、っていうことなんだろうと思います」※『トゥヤーの結婚』は23日より、渋谷Bunkamuraル・シネマほか、全国で順次、公開。(編集担当:恩田有紀)
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