●梁静茹:新作は「変わらぬ歌声、変わらぬ歌心」(2006/12/20)
(C)サーチナ&CNSPHOTO
梁静茹(フィッシュ・リョン)の歌声は心地よい。ただ甘い歌声というだけではない。ラブソングの中にこめられた思いや、ありふれた今の中の風景が彼女というフィルターを通して聴き手に伝えられるとき、より透き通ったものになって届く。そんな感じがするんだ。
20日に日本版が発売される新作『親親〜キッシング・ザ・フューチャー・オブ・ラブ』には、五月天(メイデイ)や周杰倫(ジェイ・チョウ)、陳綺貞(チア・チェン)といった、それぞれが独自の世界を持つアーティストたちが楽曲を提供している。なのに、梁静茹の声はそんなアーティストたちの世界に自然と溶け込んでしまうのだ。
「変わらぬ歌声、変わらぬ歌心」――。このアルバムに付けられたキャッチコピーに、思わず大きくうなずいた。つじあやのの名曲「風になる」のカバー「小手拉大手(小さな手と大きな手)」も収められているが、オリジナルのほのぼのした感じやそよ風のイメージが、梁静茹の歌として同じように伝わってくる。だから、聴いていて心地よい。
タイトル・トラックの「親親(キス)」や、「親親」とおなじくPVも制作された「暖暖(あったかい)」もいいが、僕は、陳綺貞が作詞作曲し、梁静茹とデュエットしている「小心眼(小さい心)」が好きだ。梁静茹も陳綺貞も、優しさと透明感を合わせ持ったヴォーカル・スタイル。「すこしわがままでいたい女性の気持ち」をこの二人の声で聴けるだけでどこかぜいたくな気持ちになる。
(Text by 葉月野)
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