●周華健インタビュー「やっぱり、音楽って偉大だなぁ」(2006/11/28)
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 11月9日に横浜で開かれた「中華年記念音楽祭」に出演するため、中華ミュージックシーンのリーダー的存在の周華健(エミール・チョウ)が来日。ステージの直前、リハーサルの合間を縫って、この音楽祭への思いを語ってくれた。

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――今回の音楽祭は日本と中華圏の経済・文化交流を目的に07年に行われる「日本中華年」(※注1)の一連のイベントのキックオフということで、台湾、中国大陸だけでなく、日本のミュージシャンとも共演されますね。

 「以前に沖縄で2回、音楽祭に出させていただいたことがあって、日本でこうしたイベントに参加するのは3回目です。いつもこういうイベントに出るするたびに、やっぱり音楽って偉大だなぁ、と感じるんですよね。違う国の人と話す時には確かに、通訳とかジェスチャーが必要だったりするんですが、それでも僕らは、通じ合える『言葉』を持っている。それが音楽です。こういう機会をいただくと、僕はいつも、大きな幸せを感じて、ステージにベストを尽くそうと思うんです。今晩、ポップスというフィールドで日本と中華圏が交流の機会を持てるのはとても素晴らしいことですよね。これからはスポーツや民族音楽などでも交流の機会が増えていくといいなと思います。日本と中華圏の文化は昔から互いに影響しあってきたんですよね。唐代には中華文化が日本に影響を与えたし、最近の20年ぐらいは日本が中華圏に大きな影響を与えている。そんな自分たちの文化のルーツを探ってみるのも面白いですね。

――今晩歌われる『花心』と、90年代の大ヒット曲の『譲我歓喜譲我憂』はそれぞれ、喜納昌吉さんの「花〜すべての人の心に花を〜」とCHAGE&ASKAの『男と女』のカバー曲ですが、エミールさんにとってはどんな曲ですか?

 「『譲我歓喜譲我憂』はピンポイントでとても深く、心の中を表現した歌。『花心』はそんなに深いことは歌っていないように聴こえますが、とても懐の広い曲。全くタイプが違うこの2曲はどちらも僕にとって、100点満点。大好きな曲です」

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――エミールさんは80年代からずっと中華音楽界の第一線で活躍されてきて、ヒット曲がたくさんありますが、「自分を一番よく表しているな」という曲を挙げるとしたら?「今晩も歌う、『朋友』かな。歌手デビュー20周年を迎えるんでんすが、その年月を振り返ってみると僕の周りにはいつも、かけがえのない友達がたくさんいてくれた。そんなみんなへの感謝を込めたこの曲は僕の気持ちそのもので、とても大事にしています。

 思えば、いろんなタイプの曲を歌ってきましたねぇ。そういえば、同じく今晩歌う『明日我要嫁給〓』は明日嫁いでいく女性の気持ちを表現したものなんですが、これは――、僕自身の気持ちではないです(笑)」(〓は人べんに尓)

――今後、日本での活動のご予定はありますか?

 「アジアの中で、日本の音楽界はとても大きな存在感を持っています。中華圏のミュージシャンは音楽を作る時、日本の音楽界にたくさんのことを学んでいるし、私もぜひ、日本で活動してみたい。例えば私の親友の成龍(ジャッキー・チェン)は映画をやっているので、アクションを観ていだければ言葉は分からなくても日本の皆さんに理解してもらえる。そんなところ、とてもうらやましいですね。僕が日本語を勉強したり、日本のもっとたくさんの皆さんが中国語に興味をもってくれたら、僕が日本で歌う機会も増えるかな、と思います」

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 日本で発売された最新アルバム『雨人』の収録曲『全世界的愛』で周華健は、「曲がりくねった道を歩きながら、君に世界中の愛を届けるよ」と歌っていた。日本と中華圏の間にある違いははっきりと認識しながらも、できるだけ自然な形でもっと近づいていきたい――。簡単なことではないけれど、そのための手段のひとつが、音楽なのかもしれない。

※注1:世界各地で活躍する「華商(中国系企業経営者)」が一堂に会する「第九回世界華商大会」が2007年9月に日本で開かれることを記念し、大会組織委員会では同年を「中華年」と位置付けて経済・文化等広範にわたる数々の記念行事を計画している。そのキックオフイベントとして11月9日に横浜で「中華年記念音楽祭」が開催された(=下写真)。中華圏から周華健のほか、阿宝(アーバオ)、S.H.E、王心凌(シンディー・ワン)、日本人アーティストでは中孝介、w−inds.、ゴスペラーズなどが参加した。

■周華健(エミール・チョウ) プロフィール
 1960年、香港生まれ。台湾大学在学中に弾き語りのアルバイトをしているところをスカウトされ、台湾・ロックレコードに入社。87年にアルバムデビューして以降、ヒットを連発し、中華圏を代表する実力派シンガーソングライターとして不動の地位を得た。温かみのある声が紡ぎだす、優しく、力強い音楽は中華圏の幅広い年代に支持されている。
(編集担当:恩田有紀)


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