●東京フィルメックスで『三峡好人』『黒社会』上映へ(2006/11/07)
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アジアを中心に世界各地から独創的な作品を集めた国際映画祭「第7回東京フィルメックス」が、11月17日から有楽町朝日ホールなどにて開催される。今回は、アジアの新進作家によるコンペティション部門や、注目の映画作家たちの最新作を上映する特別招待作品部門などで、全34作品が上映される。中華圏からは、ベネチア映画祭金獅子賞受賞の『三峡好人』(=写真右)など6作品がラインナップ。それらの見どころを紹介する。
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17日のオープニングで上映されるのは、中国の賈樟柯(ジァ・ジァンクー)監督の『三峡好人』。第63回ベネチア映画祭でサプライズ上映され、最高賞の金獅子賞を獲得した話題の作品が、ついに日本初上陸となる。三峡ダム建設が進む四川省・奉節を舞台に、家出した妻子を探す炭鉱労働者と、消息を絶った夫を探す看護師の姿を通し、変わりゆく中国社会を描写している。
26日のクロージングで上映されるのは、台湾を中心に活躍する蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)監督の『黒眼圏』(=写真左)。蔡監督が故郷のマレーシアで初めて撮影した最新作で、蔡監督作品には欠かせない主演俳優の李康生(リー・カンション)が、賭けに負けて瀕死の重症を負う旅人と、昏睡状態の若者の二役を熱演する。上映日には女優の陳湘〓(チェン・シャンチー)によるティーチ・インも予定されており、こちらも期待が高まる。(〓は王へんに其、以下同)
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特別招待作品では、香港を代表する杜〓峰(ジョニー・トー)監督が香港黒社会にリアルに迫った『エレクション』(原題:『黒社会』、=写真下)シリーズを2作まとめて公開。05、06年と2年連続でカンヌ映画祭に招待された話題作が、07年正月からの日本劇場公開に先駆け、待望の日本登場となる。
コンペティション部門には、中国から『アザー・ハーフ』と『ワイルド・サイドを歩け』(原題:『頼小子』)の2作品が登場。『アザー・ハーフ』は、『あひるを背負った少年』(05)で昨年の東京フィルメックス審査員特別賞を受賞した応亮(イン・リャン)監督による第2弾。中国南西部の街で法律事務所の書記として働く女性の視線を通し、地方都市で生活する女性たちの実像に迫る。
『ワイルド・サイドを歩け』は、賈監督の助監督だった韓傑(ハン・ジエ)の監督デビュー作。中国北部の炭鉱の村を舞台に、3人の若者たちの過酷な運命を描いたこの作品は、今年のロッテルダム映画祭でタイガー・アワードを受賞しており、その鮮烈な映像描写にはぜひ注目したい。
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新進作家たちの登竜門として定着した「東京フィルメックス」。第1回で最優秀作品賞を受賞した婁●(ロウ・イエ、●は火へんに華)監督や、第4回で最優秀作品賞を受賞した寧浩(ニン・ハオ)監督など、この映画祭で高い評価を受け、活躍の場を広げた中華圏の監督も多く、その開幕が今から待ち遠しい。
(Text:アジア映画ライター 小石川駿)
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