●曹格「見た目はどうでもいいって言われて!」(2006/09/08)
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郭富城(アーロン・クォック)や光良(マイケル・ウォン)など、中華圏の人気アーティストへの楽曲提供をきっかけに注目され、昨年、台湾でアルバムデビューを飾るや、瞬く間に大ヒットを打ち出したマレーシア出身のミュージシャン、曹格(ゲイリー・ツァオ、=写真)。その彼が日本のファンへのご挨拶を兼ねて06年8月に初来日。生の歌声、そして彼の音楽に対する気持ちを聴かせてくれた。マレーシア人らしいフレンドリーな表情と、小柄な身体から紡ぎだすソウルフルな歌声――。中華圏の音楽界にまたひとつ、伝説が生まれそうだ。
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――アルバムタイトルの『格格blue』(原題、※注1)にはどんな意味が込められているんですか?
「格は曹格の格。僕は歌手になる前、すごい暗かったんですよ。笑わないし、あまり人と話さないし。いつもすごいブルーな感じ……。でも、王心凌(シンディー・ワン)さんに提供した曲がすごい明るかったりしたから、実際の僕に会った人は『えっ? この人があの曲作ったの?』ってみんな、驚いてた。それで、中国語の四字成語の『格格不入(ギャップがあってしっくりこない、という意味)』とかけて、このタイトルにしたんです。僕はブルーなやつであまり話さないけど、歌で自分の気持ちを伝えるよ、という意味も込めて」
――でも、今話しているとそんなブルーな雰囲気は感じないですよ。
「そうなんですよ(笑)。歌手デビューしてからはまったくの別人になっちゃった」
――今日(8月22日)は日本のメディアへのお披露目ライブと、ファンミーティングも行われますね。
「日本でCDが発売されるって聞いたときは本当に信じられない気分だった。僕は音楽をやることに対して、絶対に売れたいとか、コンサートをやりたいとか、求めることはないんですよ。ただ、いい音を作って、歌いたいと思っているだけなのに、台湾だけじゃなく日本でも歌い機会に恵まれるなんて、とても光栄に思います。
実は僕の昔の彼女が日本人で、その影響もあって僕も日本のミュージシャンが大好きなんです。平井堅に宇多田ヒカル、安室奈美恵。Can you celebrate〜……とか(※注2)。平井さんの歌は僕には意味が分からないけど、気持ちがどっと伝わってくる。僕の歌もそんな風に、中国語なんて分からなくても日本の人たちに伝わったらいいな、と思います」
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――ところで、マレーシア華人のゲイリーさんが台湾のロックレコードからデビューするまでには、結構な紆余曲折があったみたいですね。
「マレーシアってマレー系にインド系、中華系といろんな民族がいて、いろんなタイプの音楽が聴かれているから、音楽環境としては悪くないんですけど、なにしろ、マーケットが小さい(※注3)。一度はマレーシアでCDデビューしたけど全然売れなかった……。それで03年に台湾に渡ったんだけど、最初の頃はずっとスタジオに寝泊りしていました。
いろんな人に曲を提供するようになって、いくつものレコード会社の方から『この曲の作曲者と契約したい』と言っていただいたんですが、実際に僕が出て行くと、『不細工だから、やっぱりダメだ』『マレーシアに帰りなさい』とか言われて……。当時の僕はこの身長で体重が70キロもあって、顔もぼつぼつだったしね。でも、そんなことを面と向かって言われてばかりで、本当に辛かった。もう、ここで何しているんだろう?って思ってばかりした。
そんな中でロックレコード(※注4)の人が、『見た目はどうでもいいから、いい音楽を作ることだけ考えなさい』って言ってくれて、契約することができたんです。本当に、ロックの皆さんには感謝しています。それで、僕も出来る限りのことはやろうと思って、痩せたり、肌をきれいにするために毎日パックしたり。パックは今でもしているんですよ」
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――同じマレーシア出身ミュージシャンの光良(マイケル・ウォン)さんとは会社が同じで、仕事も一緒にされていますが、プライベートでも仲がいいんですか?
「うん。友達、ですね。僕が落ち込んでいた時には励ましてくれました。同じミュージシャンでは、王力宏(ワン・リーホン)さんも励ましてくれたことがあったなぁ」
――ファンのみんなが楽しみにしていると思うんですが、次のアルバムの予定は?
「今年中には出すつもりです。曲はかなりいい出来で、もう既にうれしくなっちゃってます」
――どんな感じのアルバムに?
「みんな、1stアルバムのことを『R&Bだ』って言うけど、僕はそういうつもりはないんですよね。そのイメージがあると、次のアルバムではちょっと驚くかもしれない。内容は聴いてからのお楽しみ、ってことで!」
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※注1:アルバムの日本タイトルは『Blue』
※注2:この間しばし、アムロ&宇多田ナンバーを目の前でアカペラしてくれました!
※注3:マレーシアの国土面積は日本より1割ほど小さいだけだが、人口は日本の約5分の1
※注4:周華健(エミール・チョウ)、五月天(メイデイ)、光良(マイケル・ウォン)など、骨のあるミュージシャンを多数抱える台湾の大手レコード会社。
【曹格/ゲイリー・ツァオ】 プロフィール
1979年7月9日、マレーシア生まれ。9歳の時、ベビーフェイス作曲、キャリン・ホワイトの『スーパーウーマン』を聴いて音楽に目覚めた。カナダ留学中に本格的に音楽をはじめ、18才で自作のデモをレコード会社に送る。大学卒業後、マレーシアで音楽活動開始。中華圏のアーティストに楽曲を提供しながら、01年に1stアルバム『曹格 同名専輯』で歌手デビューしたがヒットせず、歌い手として大きな挫折を味わう。
03年、台湾に拠点を移して音楽活動を再スタートし、05年12月にアルバム『格格blue』をリリース。『スーパーウーマン』のカバー曲以外の9曲は全て自作で、メロウなバラードからチャイニーズテイストの曲まで、彼が持つ繊細な音楽センスを印象付けている。
(編集担当:恩田有紀)
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