●チェン・ボーリンの幻想的冒険劇『幻遊伝』公開中(2006/08/30)
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 「華流」をひっぱる台湾若手スターとして人気の陳柏霖(チェン・ボーリン)と、実力派女優・田中麗奈が共演した日台合作映画『幻遊伝(原題:神遊情人)』がついに日本で公開になった。ボーリンは、『五月の恋』で見せたさわやかな恋や、『the EYE3』のコミカルホラーから一転、「タイムトリップ」に「キョンシー」、「カンフー」という要素をちりばめたファンタスティック・アドベンチャーに挑戦している。この映画の宣伝のため、6月に来日したボーリンが、話題の新作について語ってくれた。

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――ボーリンさんはこの作品で現代の台北に生きる青年・阿明と昔の中国の盗賊・ハイションの2役を演じましたが、陳以文(チェン・イーウェン)監督からこんな風に、という指示はありましたか?

「阿明はおとなしくて、人の言うことをよく聞く男。もう一人のハイションは正義感があって愛にも積極的、活発な男。性格の根っこのところは同じだけど、阿明は『静』、ハイションは『動』という感じで、と言われました」

――あの2役はボーリンさんの瞳が違う表情をしていて、どちらもとても魅力的。女の子は好みが分かれるところかな、と思いますが、実際のボーリンさんはどちらのタイプ?

「僕は両方持ってるかな。ちょっと複雑なヤツ(笑) 状況によって変わるかも」

――麗奈さん演じるシャオディエがタイムトリップして、ハイションと一緒に旅する部分は時代劇のアクションものですが、撮影に入る前に特に準備したことは?

「アクションは武術指導の先生が武器の使い方をいろいろ教えてくれました。あとは、歩き方。昔の人という設定なので、現代人みたいではダメだ、と言われて練習しました。話し方も阿明とは変えてるんですよ。今の人の話し方はごにょごにょごにょ、っていう感じ。でも、昔の人だからもっとはっきりと発音するように、と。かなりがんばって練習したんだけど、うまくできてると嬉しいな」

――この作品の中にはキョンシーが出てきますが、80年代後半から台湾でも日本でも大ヒットしたキョンシー映画は好きでしたか?

「小さい頃はなんか、怖くて観られなかったんだよね。『幻遊伝』はまだちゃんと観ていないんだけど、これを観たらキョンシー好きになるかも(笑)」

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――田中麗奈さんとはこの作品で初めて共演されたんですよね? どんな女優さんでしたか?

「すごい真面目で、どんなことにでも努力する。いろんなことをきっちり考えて演じる、プロ意識が高くて素晴らしい女優さんですよね」

――撮影の合間はどんな感じで?

「おしゃべりしたり、彼女から日本語を教えてもらったり、僕が中国語を教えたりね。きちんとノートもとって勉強したから麗奈さんはかなり中国語、上手になったみたい」

――で、ボーリンさんの日本語はもう完璧なぐらいに?

「え〜、完璧では、ない、かも? やっぱりそんなに流れるようにはしゃべれない。聞くのはだいたい分かるけどね」

――シャオディエのお父さん役、大杉漣さんとは?

「今回が2回目ですね。最初は『アバウト・ラブ/関於愛(クワァンユーアイ)』の時。大先輩ですからね。僕が演じた阿明が働いている漢方薬局の主人の役で、師匠と弟子、って感じでしょ。だから僕が演じているときはなんだか、どっしりとしてお父さんみたいな雰囲気で相手してくれました。実際の僕のオヤジとは違うかな。尊敬してるけど、友達みたいな関係なんだよね」

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――この映画のバックグランドになった台湾のこと、台湾でボーリンさんが好きな場所や、食べ物を紹介してください。

「いい所、いっぱいあるよ。(台湾最南端の観光公園)墾丁(ケンディン)もいいけど、台北からは遠いかな……。ああ、台北のビーチがいいよ。金砂湾とか、白砂湾。台湾の人だけでなくて、外国人にも人気があるんです。食べものだったら、〓仔麺線(オアミェンシェン=カキ入り麺)とか牛肉麺! 牛肉麺は今回日本に来る前にも食べてきました。おすすめです!」(〓は虫へんに可)

――この作品は日本と台湾の合作で、以前の『アバウト・ラブ/関於愛(クワァンユーアイ)』も日本との関係が深い映画でしたよね。

「日本と中華圏の交流が増えて、だんだんいい感じになっているよね。僕の台湾の友達の柯有倫(アラン・コー)も日本でコンサートに出たことがあって、『すごい良かった!』って言ってた。僕らは日本の文化をたくさん見ているし、日本の皆さんにも中華圏の文化を見てもらう機会が多くなっていると思う。アジアのコネクションが強くなっていくのは素晴らしいことだよね」

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 「俳優として、今後の目標は?」との質問に、「大好きな仕事だから、続けていくつもり。でも、他に音楽とかアート――洋服やおもちゃをデザインして展覧会なんかもやってみたい。俳優やるにしても、世界中のいろんなものを見て、吸収したいと思っています」と、ひときわキリリとした表情で答えてくれたボーリン。これからますます活動の幅を広げ、「明星」として輝きを放ってくれること、期待しています。

◆◆『幻遊伝』(TRIPPING/神遊情人)◆◆
 現代の台北に住む日本人の女の子・シャオディエ(田中麗奈)は漢方薬店を営む父親(大杉漣)とふたり暮らしだが、日本に帰りたくていつも父親と衝突してばかり。そんなある日、友人たちと夜遊びをしていたシャオディエは、ひょんなことから遠い昔にタイムスリップしてしまう。そこでシャオディエが出会ったのは、故郷の経済的危機を救うために盗賊をしている少年、ハイション(チェン・ボーリン)たち一行だった。成りゆきでその仲間に加わったシャオディエ。それは世にも不思議な冒険の旅の始まりだった……。

 「アジア各地の選りすぐりの才能を集めて、究極の痛快テンターテインメント映画を作ろう!」という目標の元、日本・台湾・中国・香港からスタッフとキャストが結集し、製作されたファンタスティック・アドベンチャー作品。台湾の名監督・楊徳昌(エドワード・ヤン)の愛弟子で注目の若手実力派・陳以文(チェン・イーウェン)がメガホンをとっている。

 06年8月26日より、渋谷・Q−AXシネマほかにて公開中(配給:角川ヘラルド映画)。
(編集担当:恩田有紀)
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