●アンディ・ラウ「どこから見てもカッコいい」来日会見(2006/08/29)
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 香港製純愛映画『愛と死の間で(原題:再説一次我愛ニイ)』の日本公開に合わせて、主演の劉徳華(アンディ・ラウ)と余国偉(ダニエル・ユー)監督が来日。7月24日に東京都内で引かれた記者会見でアンディは、長年の友人であり、今は映画制作会社の経営パートナーでもある余監督や、共演した2人の女優・楊采〓(チャーリー・ヤン)、蔡卓妍(シャーリーン・チョイ)との関係について語った。(〓は女へんに尼)

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――アンディさんは『無間道』(邦題:インファナル・アフェア)シリーズや『十面埋伏』(LOVERS)の後にもたくさんの映画のオファーを受けたと思いますが、この作品を選んだ理由は?

アンディ 「当時、受けたオファーは似たような作品ばかりだったんです。俳優としてはひと味違う役を演じてみたかったし、人と人の関係にスポットを当てた映画を撮りたいと思いました。それで受けた2本の作品の1本が友情の物語、もう1本は愛情の物語。その愛情の物語の方が、『愛と死の間で』でした。

 僕の隣にいるこちらの監督が台本を持ってきたんですが、彼が愛情についてこんなによく理解しているとは思わなかったので驚きましたね(笑)。彼とは知り合ってもう30年も経っているし、いろんな恋愛もみてきたけど、この作品を撮り終えてみて、改めて彼の恋愛観というものに感動しました。恋愛中の皆さんがこの映画を観て、自分を省みるきっかけになってくれたらいいなと思って、この作品をやることにしたんです」

――長年の友人ということで、逆に仕事がやりにくいことはありませんか?

アンディ 「今まで一緒にいろいろ仕事をしてきたけど、そんなに楽しかった訳じゃないですよ(笑) パートナーだし、同級生で、友達でもあると、よく知っているだけになかなか言い出しにくいこともありますよね。でも、いいものを作ろうとしたら自分の考えていることを言わない訳にはいなかいし、よくケンカしてましたね。というか、僕が一方的に怒っていた感じですが」

余監督 「アンディとは家族みたいな感覚なんですね。だからつい、大きな声で怒鳴りあってしまったりして……。でも、それも僕らなりの討論の仕方かなぁ、と」

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――劇中でコウとデレクという2役を演じていますが、役作りで苦労されたことは?

アンディ 「撮影に入る前にかなり練られた台本になっていたし、どう演じるかを監督とよく話していたので、特に大変なことはありませんでしたね。ただ、1人はひげを生やしているし、1人は生やしていない人物なので、僕はひげを剃ったり伸ばしたりしなくてはならなくて、例えば午前中にひげのない役を演じて、夜にはひげのある役を演じなくてはならなかった時にはさすがに、『ごめん! 間に合わない!!』と……」


――監督として、演出家として余監督はアンディさんの魅力がどんなところにあると思いますか?

余監督 「彼は――本当にカッコいいですよね。いろんな監督やカメラマンが口を揃えて、『アンディはどのアングルからでも絵になるから撮りやすい』って言いますよ」

アンディ 「僕に映画に出てほしい人はみんなそう言うんだよね。一番カッコいいのは後ろからだと思うけど(笑)」

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――今作ではチャーリー・ヤンさん、シャーリーン・チョイさんというお二人の素敵な女優さんと共演されていますが、撮影中はどんな雰囲気でしたか?

アンディ 「チャーリーはもう10数年以上前に知り合いました。当時、彼女はまだデビューしたてで、ミュージックビデオの撮影で共演したんです。それから彼女も恋愛でいろいろな経験をしているので、この映画の中の役柄は彼女にぴったりだと思いますね。実は映画で本格的に共演するのは今回が初めてで、とても新鮮な感じでした。

 シャーリーンは、僕がデビューした時にはまだ生まれていなかった(笑) そんな若い彼女と共演するのは、僕にとっては挑戦でした。いろいろな年代の女性との愛を演じてみることで、奥深い作品になるんじゃないかな、と思ったんです」

――作品の中で、彼女たちが一番美しいと思ったシーンは?

余監督 「シャーリーンは、医者である夫のコウを病院に訪ねて行ったとき、看護師さんが『コウ先生を呼びましょうか?』と声をかけたのに、『結構です』と遠慮するシーン。チャーリーはコウが初めてデレクとして彼女の家で過ごした夜、話をしながら寝入ってしまう時の表情ですね」

アンディ 「僕がチャーリーが一番きれいだと思ったのは、彼女がこの世を去る前、コウがデレクに成りすましていたことを許したシーンですね。人を許すことができる時の表情って、美しいと思います。シャーリーンの場合は、僕が彼女にキスをした時。彼女がきれいだと思わないと、キスできませんから(笑)」

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――ところで今回、アンディさんが到着された成田空港にはたくさんのファンの皆さんが出迎えに集まっていましたね。

アンディ 「80年代から日本でも僕のファンクラブにたくさんの皆さんが参加してくれていることにとても感謝しています。この20年ぐらい、僕はあまり日本に来られなかったのに、みんな、オレンジ色のファンクラブのユニフォームのシャツを着て出迎えてくれるんですよね。普通の服でも構わないのに、『私たちみんながアンディを応援していることを表すために』って言ってくれるんです。

 (そんなみんなのために)今、香港の映画界にはいろいろなプレッシャーがありますが、僕らの努力でまた、香港映画を脚光の当たる舞台に引き上げたいと思っています」

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 会見の冒頭、アンディは「昨日、日本に着いたんですが、九州で水害があったということを聞きました。各地の方々が早くひどい状況から抜け出すことができるよう、お祈りしております」とあいさつ。作品の中だけでなく、実生活でも大きな愛と思いやりに満ちた素顔をのぞかせた。

 かと思えば、ひとつ一つのコメントにオチをつけ、会見に集まった記者たちを笑わせたり、映画の中で見せたマジックを生で披露したりと、その場にいるすべての人々を引き付けるテクニックは、さすが、アジアが誇るエンターテイナー。「どこから見てもカッコいい」とは、ルックスだけのことではないようです。

※映画『愛と死の間で』は日比谷・シャンテ シネにて上映中。順次、全国でも上映予定です。


◆『愛と死の間で』◆

 愛する妻・チーチン(シャーリン・チョイ)を交通事故でたった一人、死なせてしまった外科医のコウ(アンディ)は、大きな悲しみを抱えて医者を辞め、救護隊員になった。ある事故で車に閉じ込められた女性・ユンサム(チャーリー・ヤン)を救出し、救急処置を施そうとしたコウは、彼女の鼓動に特別なものを感じる。ユンサムは過去に心臓移植手術を受けており、その心臓は亡き妻チーチンのものだった――。

 ユンサムが末期の病に冒されていることを知ったコウは、チーチンの心臓を持つユンサムだけでも一人で逝かせてはならないと、残された時間を彼女と共に残すことを決めたのだった。
(編集担当:恩田有紀)
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