●12歳新人俳優チャン・ファン、俳優への夢抱き(2006/07/04)
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取り壊しが加速する北京の古き街並み、胡同。ここに生きる画家親子の絆を描いた『胡同のひまわり』が7月8日から、日本でも公開される。主人公・向陽(シャンヤン)の少年時代(9歳)をみずみずしく演じた新人俳優、張凡(チャン・ファン、=写真)が4月に来日し、インタビューに答えた。
弱冠12歳にして、中国のニュージェネレーションを代表する張楊(チャン・ヤン)監督に見初められた「天才少年」、チャン・ファン。初来日で緊張の面持ちながらも、映画や普段の生活についてはきはきと語ってくれた。
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■「涙シーン」に奮闘
――主役に抜擢された時の気持ちは?
すごく興奮しました!
――一番難しかったシーンは?
泣くシーンです。助監督の奥さんや僕のお母さんが辛くなるような話をしてくれてやっと泣くことができました。
(監督)映画が見られなくて彼が泣くシーンがあるのですが、ちょうど撮影した日がとても寒い日で。彼がやっと泣けた時にはフィルムがなくなってしまい、本当に可愛そうでした。
――四合院(※)とマンションなら、どっちが好き?
虫が怖いので、虫さえいなければ四合院がいいです。
――何をして遊ぶのが好き?
テレビゲーム! この映画に出て初めて昔の遊びをいろいろと経験したのですが、やっぱりテレビゲームの方が面白いですね。
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■息子の活躍に父、喜び隠せず
――映画に初めて出演してみての感想は?
自分の演技にとても満足しています。
――映画に出演する前と後で何か変わったことは?
特に変わったことはありません。家族や友達もみんな前と同じように接してくれます。
――周りの人は映画を見てくれた?
友達とか、家族、親戚も見てくれました。みんな「これからも頑張って」と言ってくれました。
――お父さんも?
はい。僕には特に何も言ってくれませんでしたが、他の人には「うれしい」と言っていたみたいです。僕もそれを聞いたらとてもうれしくなりました。
(監督)上映会の時、彼はクラスメイトを半分くらい招待して見せていました。
■東京タワーに行きたい!
――日本に来たのは初めて?
はい。日本は環境とか気候がとても良いなと思いました。それに日本の人は礼儀正しくて、仕事に対する態度も真面目です。
――行ってみたいところは?
(窓の外をちらりと見て)東京タワー。ここからも見えるので、すごく行ってみたいです!
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初の来日でやや緊張気味だったチャン・ファン。取材ラッシュで顔には疲労の色がにじみ出ていたこともあり、隣りで見守る監督が口数の少ない彼をフォローする場面もあった。
監督から「天才的な演技力」があると絶賛されたチャン・ファンは、あどけない笑顔を見せながらも、今回の映画出演をきっかけとして「俳優になりたい」と夢を語る。次はどんな演技を見せてくれるのか。俳優として一皮剥けた姿での再来日が今から楽しみだ。
『胡同のひまわり』は7月8日、Bunkamuraル・シネマほか全国の劇場で順次ロードショー。(Text by田村まどか)
※四合院……中国の伝統的な建築様式。北京市では、狭い路地に肩を寄せ合うようにして民家が建つ「胡同」に見られる。
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