●中国映画へのオマージュ『玲玲の電影日記』公開(2006/05/22)
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文革時代を背景に、映画を愛する家族の人生をノスタルジックな映像美で描き出した映画『玲玲(リンリン)の電影日記(原題:夢影童年)』が13日から東京・シアターN渋谷ほか、全国の劇場で順次ロードショーになる。

  本作でデビューした新鋭女性監督・小江(チャオ・チアン)は1972年生まれ。物質的にも精神的にも豊かだったとは言えない子供時代に体験した野外映画館の懐かしい記憶を、3年の月日をかけて脚本に仕上げ、ある母と娘がたどった激動の人生を、家族愛の物語に昇華させた。

  物語は、北京で働く青年・大兵(ダービン)が、ある事故をきっかけに知り合った少女の日記を偶然読むところから始まる。日記には彼女の幼い頃の想い出が綴られていた――。

  文化大革命真っ只中の1971年。中国西北部の田舎町に暮らす少女・リンリンの母はかつて映画スターを夢見た美しい女性で、リンリンは大好きな母と野外映画館に行くのが楽しみだった。父親はいなくても母と映画があったから、暮らしは貧しくても楽しかった。

  しかしそんな幸せも長くは続かなかった。幼なじみの少年との別れ、母の再婚と新しい父、異父弟の存在、野外映画館の閉館、そして悲しい旅立ち……。それでも、長い年月の中で離れてしまったそれぞれの人生は、映画を愛し続けたことで再び寄り添う。

  中国版『ニュー・シネマ・パラダイス』といった風情の作品中、日記を読むことで母娘の人生の語り手の役割を果たすのは、中国映画界を代表する若手実力派、夏雨(シア・ユイ)。リンリンの母親には『鬼子来了(邦題:鬼が来た!)』(2000年)で姜文(チアン・ウエン)の妻役を演じた姜易宏(チアン・イーホン)。少女時代のリンリン役はテレビCMや映画で人気の子役、関暁▲(クアン・シャオトン)が演じた。(▲は丹の右に彡)

  随所に散りばめられた1930年代から80年代までの日本未公開作を含む中国映画のシーンや、往年のスター歌手、周〓(チョウ・シュアン)の映像も魅力的。中華エンターテインメントの原点を知る意味でも、貴重な作品だろう。(〓は王へんに旋)(編集担当:恩田有紀)

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