●中華エンタメ最前線:「ネット発」の音楽が大ヒット(2006/04/10)
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中国で「インターネット発」の音楽や歌手がメディアミックスに発展?という展望を前回紹介したが、残念ながらまだそうした大ヒットには至っていないらしい。ブレイクは歌や歌手止まり。ただし歌、歌手の段階での人気ぶりは非常に目立ったようだ。もちろん中国の音楽業界に与えた影響も大きい。ネットが「流行発信地」の一つとして認識されたのは日本も中国も同じようだ。
2004年に大ブレイクした刀郎(ダオ・ラン)もネット発の歌手だ。調べると、中国でいうネット発の歌は01年の「東北人都是活雷鋒」から始まったとされていて意外と歴史は長い。ここへ来てやっとひと段落した感があるほどだ。
ネットを通じて流行したとして前回も触れた歌曲「老鼠愛大米」は、香港の公営ラジオ局・香港電台(RTHK)が06年1月に開催した音楽賞で銀賞を受賞。中国大陸発の歌なのだが、香港でも流行したことが評価されたという。
受賞時にこの曲の歌手とされたのは、前回紹介した香香(シャンシャン、=写真)ではなく王啓文(ワン・チーウェン)という男性。この「老鼠愛大米」は著作権問題で訴訟にも発展したほど多くの人にカバーされた。これもヒットの秘訣かもしれない。
私が「老鼠愛大米」を知るきっかけになったアルバム『猪之歌』では、歌っているのは香香、楽曲は一部を除いて「ネット音楽創作者」といわれる毛慧氏による。まさにネットミュージックの集大成だったわけだ。
さてこのアルバムのジャケットを見ていて、ふとこの歌手の子は一体何歳なのだろうという疑問にかられた。純朴な歌詞の数々や衣装、そしてポーズからしても、「幼さの残る女の子」という演出がされているのは察せられる。しかし10代のアイドルがごろごろいる日本の感覚でみると、それよりは少々上の年齢に見えるから違和感があった。
歌詞カードをめくると、写真の横にプロフィールがあって誕生日が生まれた年から書かれている。「普通、月日は書いても年は明らかにしないんじゃ?」と思ったが、1984年。本当ならこの写真が撮影された時点で20歳か……こういう格好は、高校生くらいまでのような気がしなくもない。
中国に10代の女性アイドルっていないんだろうか? 子役ではなく、モーニング娘。みたいなまさにアイドル的な存在。日本で知名度の高い中国人女優だと、章子怡(チャン・ツィイー)は大学時代にオーディションを受けて映画デビュー。ブレイクしたのは20歳を過ぎてからだ。『少林サッカー(原題:少林足球)』に出演して「アイドル的存在」と紹介されていた趙薇(ヴィッキー・チャオ)も21歳の時に出演したテレビドラマがきっかけだったらしい。
10代デビューの女性アイドルは日本の芸能界には普通に存在するが、中国ではどうやら事情が違うらしい。そう考えていた矢先、中国でかなり話題になっているオーディション番組「超級女声(スーパー歌姫)」の存在を知った。05年のオーディション参加者の中には20歳以下という娘もいた。ただ中国ではオーディション番組やコンテスト番組の出場者が18歳以上に限定されているので、日本のようにアイドルの低年齢化がハイペースで進む、ということはまだ先のことかもしれない。(執筆:塩信夫)
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