●王力宏(ワン・リーホン)インタビュー:僕と沖縄と『真昼ノ星空』(2005/11/08)
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 王力宏(ワン・リーホン)と鈴木京香が主演した中川陽介監督の映画『真昼ノ星空』が、第18回東京国際映画祭の「日本の映画・ある視点」部門で上映された。
 中華圏の超人気ミュージシャンであるリーホンの主演でありながら、アジア各国発の話題作品を集めた「アジアの風」部門ではなくて、日本の気鋭監督による個性的かつ、文芸の香り漂う作品を集めたカテゴリーへの出品。リーホンはなぜ、この作品への出演を決めたんだろう? 映画祭に合わせて来日した彼に話を聞いてみた。
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 「ミナサン、ゲンキデスカ?」とおだやかなスマイルで現れたリーホンは、ジーンズにきれいな青いベルベットのジャケットを着ていた。その青は、映画の舞台となった沖縄の空の色? 『真昼ノ星空』は、台湾人の父親と日本人の母親の間に生まれた殺し屋・梁嵩(リャン・ソン)が、潜伏先の沖縄で、ワケありげな年上女性・由起子(鈴木京香)に思いを寄せて・・・、というお話だ。
●では、さっそく。リーホンさん、どんなきっかけでこの作品に出ることになったんですか?
 一番最初に中川監督と会ったのは、台湾で。監督が僕の泊まっているホテルに来てくれて、一緒にご飯を食べました。その時、「長く心に残る映画を撮りたい」というこの映画の構想を聞き、彼の目を見て、とても熱い心をもった芸術家なんだな、と感動したんです。
 これまでに出た映画はアクションものとか、商業的なものばかりだったので、僕にとってはこの作品が初めての「文芸作品」。部屋で独り、模型を作っているシーンとか、弁当を食べるシーンとか、ビミョーな感じを表現する必要があったので、とても勉強になりました。
●撮影にあたって、心配だったことはありましたか?
 最初に台本を読んだ時、僕自身は沖縄に行ったことはないし、頭の中にイメージもなかったんですよね。でも、監督は沖縄が大好きで、撮影でも何度も沖縄を訪れていたので、どこに行っても知り合いがいるんです。ロケのお弁当を届けてくれるのも監督の親友だったし。監督は朝市にも連れて行ってくれたりして、監督が沖縄に対して持っている気持ちをだんだんと共有できるようになりましたね。
●日本語の台詞が多かったのですが、大変でしたか?
 発音とか、リズムとか、歌を歌うような感じで覚えました。監督が「本番!」と言ったら、歌い始めるような感じでしたね。子供のころ、ヴァイオリンは「鈴木メソッド」で習いました。繰り返すことで覚えていくというものだったんですが、今回の撮影の場合は相手がいるので、それよりももっと楽しかったですね。僕はこれからもやっぱりミュージシャンをメインにやっていくつもりですが、こんな楽しい経験ができるなら、またやってみたいな、と思います。
●撮影していた時、心に残った出来事は?
 (2004年の)撮影中、監督が2回、泣いたんです。1回は僕がプールで泳ぐシーン。監督は責任感が強いんですね。撮影スタッフを家族のように思ってくれていて、僕が寒い朝に震えながら泳ぐシーンを撮影していたら、それが申し訳ないって言って、泣くんです。それから、もう1回はクランクアップの日。みんな名残惜しくて、ずっとずっと撮っていたいなぁ、っていう気持ちでした。実は昨日、役者やスタッフたちが集まって、みんなでご飯を食べたんですよ。沖縄に戻ったみたいに楽しかった! 1カ月以上、ずっと一緒にいましたからね。
●台湾と沖縄は似ているといわれますが、どんな感じでしたか?
 距離が近いから、気候が似ている。沖縄は台湾の中部や南部など、郊外の感じに似ていますね。住んでいる人たちがとってもピュアなところも似ているかな。それから、撮影の時、僕は次のアルバムの曲を創っている最中で、民族音楽にとても興味を持っていた時だったので、沖縄の音楽にもハマりましたね。
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 透明で静かな空気感。その中でリーホン演じるリャン・ソンは深呼吸し、初めての恋を成就するべく、一歩踏み出していく。クールな殺し屋が少年のように心踊らせながら待つ、彼女との時間−。インタビューの第2弾ではこのリャン・ソンという男の「素顔」に迫ります。※『真昼ノ星空』は2006年夏、日本公開予定です。(聞き手・構成:恩田有紀)

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